琉球古陶とは
沖縄の陶器(ヤチムン)は、琉球王国の交易によって多彩な展開をみせ、その陶技と伝統は現在の陶工へと引き継がれています。民藝提唱者で
ある柳宗悦が沖縄を訪れ、民藝の楽園浄土と感じたのも、琉球王朝時代における東アジア文化交流のまさに賜物といえるでしょう。
また近年では、2007年早稲田大 学會津八一記念博物館における展覧会『八重山古陶-その風趣と気概-』を嚆矢に、八重山古陶に関する評価も高まりを見せています。更に、2011年の沖縄県立美術館・博物館、壺屋焼物博物館による展覧会『琉球陶器の来た道』では、沖縄県庁建設に伴う湧田古窯発掘調査から、従来喜名古窯とされていた焼締壺や甕、黒釉製品などが湧田古窯から出土していることが公開されました。喜名の名品と唄われた黒釉柑子口瓶徳利も例に漏れず、今後産地再検討を含め益々議論を呼ぶ展開となっております。
当美術研究所では、琉球古陶を「荒焼」、「上焼」、「土器類」の3種に分別し、現地調査を含め所蔵資料を中心に紹介していきたいと思います。しかしながら、小さな美術研究所ゆえ、その収集にも限りがあり、特に王朝時代の抱瓶など希少な器種は夢叶わぬところ。翁長氏をはじめ、現地コレクター先達の足元にも及ばぬところは云うまでもありません。更には網羅的な収集にはなっておらず、偏りのあることも御承知ください。特に傷のある参考品の多いところは、当研究所の主軸が金継工房であるゆえでもあります。また、研究所の在が広島ということもあり、古備前陶片などにも触れる機会も多く、また研究テーマでもあるドイツライン川流域古陶や他の収集古陶とも比較しながら、独自の視点を交えながら琉球古陶を紹介出来るよう努めて参りたいと思います。
また、現地の陶芸家やコレクターをはじめ、ヤチムンに関わる方々の貴重な御意見等を交えお送りいたします。
八重山再発見を機に、今後更なる展開を見せる琉球古陶。その魅力の一端を公開するとともに、単なるオリエンタリズムに回収され得ないしっかりとした評価を念頭に、今後とも継続して取り組んで参りたいと考えております。
また近年では、2007年早稲田大 学會津八一記念博物館における展覧会『八重山古陶-その風趣と気概-』を嚆矢に、八重山古陶に関する評価も高まりを見せています。更に、2011年の沖縄県立美術館・博物館、壺屋焼物博物館による展覧会『琉球陶器の来た道』では、沖縄県庁建設に伴う湧田古窯発掘調査から、従来喜名古窯とされていた焼締壺や甕、黒釉製品などが湧田古窯から出土していることが公開されました。喜名の名品と唄われた黒釉柑子口瓶徳利も例に漏れず、今後産地再検討を含め益々議論を呼ぶ展開となっております。

また、現地の陶芸家やコレクターをはじめ、ヤチムンに関わる方々の貴重な御意見等を交えお送りいたします。
八重山再発見を機に、今後更なる展開を見せる琉球古陶。その魅力の一端を公開するとともに、単なるオリエンタリズムに回収され得ないしっかりとした評価を念頭に、今後とも継続して取り組んで参りたいと考えております。